新月──「朔」は、月が姿を隠す夜。 空を見上げても、光は見えません。 けれど、何も見えないからこそ、内側に目を向けることができます。

新月の闇は、空虚ではありません。 それは土の中の静けさに似ています。 まだ芽を出していない種が、暗い土壌のなかでじっと力を蓄えているように、 あなたの内側でも、何かが静かに準備を始めています。

この夜は、願い事をするのに適した時間と言われます。 しかし、それは「欲しいもの」を並べる時間ではなく、 自分の奥にある「本当に大切にしたいもの」に耳を澄ませる時間です。 心の深い場所に降りて、種を選ぶ──それが新月の祈りです。

蒔いた種は、すぐには芽を出しません。 上弦の月に向かって少しずつ光が戻るように、 あなたの意図もまた、ゆっくりと形を帯びていきます。 焦る必要はありません。月が満ちるまで、静かに育てていけばいいのです。

今夜、あなたが蒔きたい種は何ですか。 目を閉じて、胸の真ん中に手を当ててみてください。 闇のなかにこそ、あなたの光の原点があります。